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木材トレーサビリティ調査同行の感想

昨年、木材のトレーサビリティに関する調査に同行させて頂きました。
報告書に感想を載せて頂きましたので、転載させて頂きます。
(報告書入手次第、書名等記します)

*****


 このたび久山町(福岡県)における木材トレーサビリティの調査に同行させて頂き多くの体験を得ることができました。前世紀まで材質の良さや限られた有名地の木材にだけ高く付けられていた価値が地産地消の観点にも拡大したとだけ受けとめていたにすぎず、不勉強なまま同行させて頂きました。
 まず役場の方から町の歴史・方針を教えて頂きました。昭和40年代から町の9割以上を市街化調整区域に指定し町のくらし・美観を保ち続けてきた経緯には、住民の方々の生活に対する意識の高さを感じずにはいられませんでした。住むところがあればよい、効率だけを重視していればよいと何も考えることなく思いこんでいた私は、近代的な高層ビルの乱立とは異なる、「未来の未来」を目のあたりにすることとなりました。本調査を通じていくつか木材トレーサビリティや木材生産に関する説明・報告がありました。なにがしかのツールとしての木材トレーサビリティでありそこに効率・経済性が伴わねばなりわいとはなりません。そしてこのツールがツールのためのツールではなく、より良いくらしをおくるためのものであることを深く認識できたことは大きな収穫でした。
 実際の伐採現場・製材工場の見学を通して、本調査の詳細に至るまでご尽力頂いた三浦氏の積極的な貢献が久山町木材トレーサビリティの実現を可能にしたことがわかりました。原木番号から始まり玉切番号そして部材番号にいたるまで、番号付与・テープ貼り付け・検収票への情報一元化などのほとんどが三浦氏により行われており、ご自身のなさる設計と並行したこれらの諸活動は森林から建築まで一体化した木材トレーサビリティまたそれ以上のものとして結実していました。細かな部材レベルでの製材工場の協力も欠かせないとはいえその協力体制の構築・管理体制も三浦氏によるものです。それぞれが近いとはいい難い設計事務所・伐採現場・製材工場・建築現場へ足をはこび、設計内容・検収票・木材のそれぞれを一致させ続けることは大変多くの時間と作業さらには森林・木材生産・建築に対する多くの形式知・暗黙知を要するといえます。
 木材トレーサビリティは広域・複雑・不透明な木材の流れの整理を可能とし、戦略(方針)・戦術(計画)を策定する重要な情報資源を提供できると考えることができます。寸法ごとの材積にとどまらず質に関係する情報の入手は適切な在庫管理につながり、山元を含めた川上・川下全体により多くのキャッシュを保たせ、経営資源の再配分を行いやすくさせると考えられます。現状の木材トレーサビリティの持つ成果の発展は、木材生産活動の俊敏な市場適応を確実にさせるもっとも適切なツールのひとつといえるでしょう。しかし地元住民のくらしへの高度な意識という背景があってこそ取り組むに値すると思います。すなわち木材トレーサビリティを単純に実施すればそれでよいのではなく、くらしへの高い意識があってこそ意義ある実現がなされると思います。そして森林から建築にいたるまでの関連する多くの分野に対する高度な知識を欠かすことはできず、さらに各分野の支援がなければ一体化した実現とその持続はもたらされないことでしょう。


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